エマニュエル・ルジェ氏は、ブルゴーニュワインの神と謳われたアンリ・ジャイエ氏の甥にあたります。 1976年からジャイエ氏の元で教えを受け、共にワイン造りを行っていました。更にジャイエの引退後、実際に畑の管理から醸造の全てを任されていたこと、ジャイエ氏の所有する大部分の畑を引き継いでいます。エマニュエル・ルジェ氏のブドウ栽培はアンリ・ジャイエ氏の哲学をしっかりと受け継ぎ、 ブドウは出来るだけ自然な方法で育てること、年によってブドウの適切な収穫時期を見極めること、 そして収穫量を厳しく抑制することを心掛けています。 『毎年自然によって生みだされる土壌や気候、土地の特徴を最大限に表現すること』を哲学とし、人が手を加えることでブドウ本来が持っているピュアな良さをなくさず、素材の良さを尊重するよう細心の注意を払っています。 またアンリ・ジャイエ氏は「高い樹齢と、極めて短いプルーニング(剪定)が重要」と繰り返し話したと言われていますが、ルジェ氏が1985年にドメーヌを継いでからも、樹齢の高いブドウを使用し、ブドウの樹を丁寧に剪定しており、ジャイエ氏の教えが着実に根付いていることが分かります。収穫は手摘み、除梗は100%行い、アルコール醗酵前に5?7日間低温浸漬をすることで、独特のアロマとピノ・ノワールの色合いを引き出します。約18か月樽で熟成させてから軽めに清澄をし、フィルターはせずに瓶詰されます。
ヴォーヌ・ロマネは、「ブルゴーニュの丘の中心に輝く宝石」、「神に愛された村」と称えられ、ブルゴーニュの中で最上のアペラシオンとされています。その理由は、土壌と日照条件の良さ。粘土質と石灰質が混ざった土壌からは、凝縮した果実味と、綺麗な酸をもつブドウが出来ます。芯のしっかりとした味わいながらも、細やかな酸により優雅さを感じる、絶妙なバランスのワインが生産されています。
ラズベリーやチェリーの果実のアロマに、オレンジピールやクローヴのようなスパイスのニュアンスが重なります。口に含むと、しなやかな酸にしっかりと熟した果実の風味が感じられ、ジューシーな印象。タンニンはグリップが効いており、このワインの骨格と熟成ポテンシャルの高さを感じさせます。心地よいテクスチャーと長く続く余韻によって、リッチなボディを包み込むような味わいに仕上がっています。
ブドウ品種:ピノノワール100%