ティント・ペスケラの歴史は1972年より始まります。
その当時、リベラ・デル・デュエロで有名なワインはベガ・シシリアのみでした。かつては高品質なワインが生産されていたのですが、そのころの造り手の多くは、安価なワインばかりを大量に生産しており、農家の中にはブドウの栽培を止め他の作物に転換する人も数多くいました。そんな中、最高の赤ワイン造りを目指していたアレハンドロ・フェルナンデスは、まさに情熱の手本、不屈の精神の持ち主でした。自らブドウを植え、高品質のワインを生産するという夢を実現する為に、彼はどんな仕事もこなしていきました。そしてついに、テンプラニーリョの栽培に最適な土地を見つけ、若い頃からの夢であったワイナリーを40代で設立します。当初は伝統重視主義であったアレハンドロ・フェルナンデスも、年月を重ねるごとに大胆な改革を進め近代的な醸造法をボデガに導入するようになったのですが、それでも彼はヴィンテージが許す限り、スペインの伝統的なレセルバとグランレセルバ・キュヴェの製法にこだわりを持ち続けました。カベルネ種を決して使わず、リベラ・デル・デュエロの原生品種であるテンプラニーリョへの確固たる忠誠を抱き続けたのです。そして、テンプラニーリョにとって理想的な土壌での栽培を心がけ、取り扱いが難しいこの種のブドウのポテンシャルを最大限に引き出すことに成功したのです。ロバート・パーカーが「これぞスペインのペトリュス」と評価したことによりティント・ペスケラの名は世界中に知れわたりました。その素晴らしい出来に世界は驚嘆し、いまやリベラ・デル・デュエロを代表するワインとなりました。
この「ティント・ペスケラ・ミレニアム」は、1972年にヴィーニャ・アルタの深い砂利の土壌に植樹されたブドウで、そのなかでも厳選されたブドウで造られるスペシャルワイン。力強い年にはアメリカ産の樽で熟成され「ハヌス」となり、2002年のようなエレガントな年にはフランス産(アリエ)の樽で熟成され、フェルナンデス最上級のキュヴェとなります。
バルサムのような特徴がブーケに感じられ、スミレ、ミネラル、ブラックベリーのアロマが加わります。風味は複雑で、純粋なフィニッシュに続きます。